曇り空のやや肌寒い気温の中、九州電力キューデンヴォルテクスのキックオフ。どちらもエリアを獲得しようと中央付近で一進一退の立ち上がり。やや攻め込んだキヤノンイーグルスに対し、ヴォルテクスはSO斉藤玄樹のナイスタッチでエリアを挽回。さらに攻め続けるイーグルスにヴォルテクスは固いディフェンスで対抗。ピンチを広げないヴォルテクスはFL吉上耕平のナイスタックルからアタックに転じ、CTBベン・ジェイコブスが抜けだし、あわやトライかというところだったが、ラストパスがつながらず。
逆に反撃するイーグルスは、アルベルト・ヴァン・デン・ベルグと日高駿の両ロックの高さを活かしたラインアウトからモールドライブ。ラックの連続攻撃としてキックパスでトライを狙うが、ここは惜しくもオフサイドの反則の笛。
お互いに自分達のミスが多く、なかなかスコアの動かない緊張の時間が続いたところ、SOカラム・ブルースのナイスタッチで相手陣に攻め入ったイーグルスに、ヴォルテクスはラックでの手痛い反則。前半23分、CTB三友良平がショットを決めて3-0と先制。
追いついておきたいヴォルテクスは続くキックオフから相手ラックをターンオーバーして攻め、ペナルティを得るとショットを狙うが、惜しくも外れる。
それでもディフェンスの出足のいいヴォルテクスに、イーグルスはゴール前まで攻め込んでも、なかなかスコアまでに至らず。
攻めに攻めるイーグルスは中盤の相手スクラムを押し込んでペナルティを得るとSH福居武が速攻。そこをフォワードがフォローして最後はPR菅原がゴールポスト中央に力強くトライ。CTB三友のゴールも決まり、前半終了間際に貴重な追加点で10-0となりハーフタイムに。
互いに激しくコンテストし、ラインアウトではイーグルスがターンオーバー、ラックではヴォルテクスがターンオーバーするという、空中戦のイーグルス、地上戦のヴォルテクスという前半の展開。
後半からもヴォルテクスは攻め込んでもラインアウトを逃してスコアならず。イーグルスはWTB和田拓の突破でチャンスになるも、あと一歩、届かず。惜しいチャンスをミスしたバックスにNo.8鷹クロフォードアストンが「ドンマイの声」をかけ、チームワークでチャレンジを続けるイーグルス。
しかし、ヴォルテクスは後半投入したCTBドウェイン・スウィーニーが突破力をみせ、相手ディフェンスを振り切って前に出てCTB黒木孝太につなぎトライ。しかしイージーと見えたコンバージョンキックをはずしたヴォルテクスは、10-5とビハインドのまま。
取り返そうとアタックに出るヴォルテクスだが、すんでのところでミスが出て、ラックから抜け出たイーグルスFL竹山浩史が、SH福居、FLトマシ・ソンゲタ、さらにCTBティム・ベネットにつないでトライ。CTB三友のゴールも決まり後半19分17-5とイーグルスが引き離しにかかる。
そこからアタックにリズムの出てきたイーグルスは、ヴォルテクスの反則を誘い後半26分CTB三友がPGを追加して20-5。
ヴォルテクスが反則の繰り返しシンビンで1名欠いたパワープレーの最中、敵陣スクラムからSH高城良太(岩手・盛岡工高-法政大出身)が巧みに抜け出してCTB三友、SOカラム、さらにWTB和田へとつないでトライ。CTB三友が難しいゴールを見事に決めて後半31分27-5。
イーグルスは、ほぼ試合を決めたはずが、終了のホーンが鳴っても自陣からアタックを続けます。その甲斐あって、またもSH高城が抜け出してHO山本貢が快足をみせてフォロー。ラックからキックパスが成功しCTBティム・ベネットがボーナス4トライ目を挙げ、最後のゴールもCTB三友が決めて34-5とイーグルスが完勝を遂げました。
トップリーグ初昇格のイーグルス、返り咲き昇格のヴォルテクスと、昨季のトップチャンレンジ最終戦を彷彿とさせる熱い対戦は、緊張の前半から、よく声を出してチーム力でアタックしたイーグルスと、粘るディフェンスに突破力のアタックのヴォルテクスの好ゲームとなったが、若さと勢いに勝るイーグルスが、最後まで詰め切れなかったヴォルテクスを破った。
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