前節に九州電力に勝ったとはいえ、5点差で勝利したサントリーと、ここまで開幕2連敗中のリコー。両チームがどのように修正してきたのか、興味深い対戦である。
リコーのキックで試合が始まる。開始早々から両チーム、攻守ともによく前に出て、激しく攻防を繰り返す。開始から4分間、ゲームが途切れることなく緊張した状況だった。
先制したのはサントリー。5分、ラインアウトからバックスに展開しラックとなる。ここでリコーがオフサイドの反則。速攻から、15番 有賀がトライ。5対0とする。16分には、リコー陣内で15回の連続攻撃を繰り返し、リコーたまらずオフサイド。10番 小野が中央、約20メートルのゴールを決めて3点を加える。サントリーは、32分にもトライを奪う。リコーゴール前、5メートルのラインアウトからモール、ラック後、9番 デュプレアからのパスを10番 小野がトライ。ゴールも決まり15点差とする。この状態のまま前半終了。
前半はサントリーの流れであり、かなりの時間を攻撃に費やしていたが、リコーがよく前に出てプレッシャーをかけサントリーの攻撃を止めていた。サントリーもリコーの激しいディフェンスの前にノックオンを繰り返し、追加のトライをとることができない。
リコーはボールをキープしている時はテンポよく攻撃を仕掛けるが、サントリーの執拗なディフェンスの前に前半はトライをとることができない。また、開始早々に、サントリーゴール前5メートルでペナルティーを得るが、強引にトライを取りに行き、逆にサントリーにボールを奪われ、先行する機会を失ったことが大きかった。
後半に入ると、リコーの攻撃が長くなるが、サントリーも激しいディフェンスでこれを拒む。先に得点を挙げたのはリコー。10分。ラインアウトからラックを連取し、15番 小吹が左隅にトライ。15対5とする。しかしサントリーは、17分に、リコー陣内でのスクラムで、リコーから出たボールをターンオーバー、これを攻め続け、9番 デュプレアがリコーバックスの背後へのパントキック、更にリコーゴール前で攻撃を続け、最後は5番 真壁がトライ。ゴールも決まり22対5とする。サントリーは23分にもペナルティーゴールを決め、25対5と差を広げ、更に28分にもトライを奪い30対5とする。リコーは、前半に機能していたディフェンスをたびたび破られ、サントリーに追加点を許した。
リコーは終盤に追い上げる。33分、サントリー陣内22メートルでのラインアウトから攻撃、10回以上のラックを連取後、10番 津田がトライ。しかしサントリーは、37分にもリコーがラインアウトで落としたボールを拾い、素早く展開し、21番 野村がトライ。リコーを突き放す。
リコーはロスタイムにもトライを奪い意地を見せるが、追い上げもここまで。
37対19で終了する。
サントリーは攻守の切り替えが早く、前に出る動きもよく、また、90分間走り続けていた。結果としてリコーから5トライを挙げた。
リコーは、前半はよく前に出てサントリーの攻撃を止めていたが、後半に入りディフェンスを破られるシーンがあり、差を広げられた。しかし、後半は3トライを奪うなど、攻撃でも防御でもよく前に出ており、選手は体を張ったプレイをしていた。
緊迫したよいゲームであった。
|