前節、強豪東芝を相手にあわやという善戦をしたキヤノンイーグルス、今節こそ上位チームから金星を挙げてその実力を証明したいところ。
一方開幕2連勝で今節も勝利を手にして波に乗りたい神戸製鋼コベルコスティーラーズ。
9月半ばというのに真夏の蒸し暑さが残る中、神戸製鋼のキックオフ。左奥深く蹴りこんでできた密集で、キヤノンがノット・リリース・ザ・ボール。左中間22mライン付近というイージーなペナルティゴールのチャンスを神戸製鋼SO10名手ピーター・グラントがよもやの失敗。波乱の予感が頭をよぎる。
その後、一旦はキヤノンが神戸製鋼陣深く攻め込むものの、神戸製鋼がすぐに攻め返す。4分キヤノン陣22m右中間から神戸製鋼SO10グラントが裏に抜け出し、FL6キャプテン橋本につなぎそのままトライ、ゴールも決まり7点を先制。
8分にはキヤノンCTB12三友が22m右寄りからのPGをきめて追いすがる。(3-7)
しかしながら、その直後、神戸製鋼がキックオフを左奥に蹴ってできた密集からノーホイッスルトライをあげる。密集から右に大きく振ってWTB14濱島が右隅にトライ、ゴールは決まらなかったものの3-12とする。
これ以降神戸製鋼の時間が続く。キヤノンはマイボールラインアウトを続けて失い波に乗れない。13分そこをついた神戸製鋼はFL7前川が大きく抜け出し、最後はCTB13ジャック・フーリーにつないでトライ。ゴールも決まり3-19。
このまま神戸製鋼の一方的な試合になると思われたが、キヤノンもようやく27分トライを返す。ハーフウェイ付近から神戸製鋼の執拗なタックルにも粘り強くボールをつなぎ続け、最後は右に展開してWTB14キャプテン和田が右隅にトライ。難しいゴールもCTB12三友が決めて10-19と追いすがる。
これを反撃の狼煙としたかったが、その後前半終了間際、神戸製鋼がキヤノン陣22m中央付近密集のボールを9から左外に出し、その内側にCTB13フーリーが走りこんでそのまま今日2本目のトライ。ゴールも決まり神戸製鋼26-キヤノン10で前半終了。
後半も神戸製鋼が前半の勢いを続けるものと思われたが、先に得点したのはキヤノンだった。5分、10m中央付近からFB15橋野が右方向にあげたキックパスがCTB13ティム・ベネットの胸にバッチリと入って、そのままトライ。ゴールは決まらず15-26とした。
このまま波に乗りたいキヤノンだが今度は神戸製鋼に攻め込まれ、たまらずオフサイド。22m右中間イージーな位置から神戸製鋼SO10グラントがPG成功。15-29と引き離す。しかしながら神戸製鋼もなかなかペースをつかみきることができない。
今度はキヤノンがまたもや粘り強くつないで神戸製鋼ゴール直前での攻防が続く、途中プレーとは関係のないところで揉み合いとなり水をさされ、チャンスもこれまでかと思った直後20分、8分に入替出場したエイトマン18湯澤が密集近場を力強く切り裂きゴールポスト左横にトライ。ゴールも決まって22-29、1トライ1ゴール差に迫る。
この後、キヤノンの時間帯となり、神戸製鋼ゴール前にも迫るが痛恨のスクラムコラプシングの反則でチャンスをつぶす。神戸製鋼がペナルティキックで大きく陣地を挽回。
39分、後半30分に入替出場した神戸製鋼22森田が得意のドロップゴール。22-32とこの時間帯での安全圏に得点を引き離した。
終了間際、キヤノンは自陣22mからクイックスローインで相手ゴール前まで果敢に攻めるも惜しくもタッチ。ここでノーサイド。神戸製鋼が辛くも逃げ切った。マン・オブ・ザ・マッチは2トライをあげ、攻守に活躍の神戸製鋼CTB13ジャック・フーリー選手。
神戸製鋼は前半に4トライをあげながら、後半はノートライ。開幕3連勝、ボーナスポイントを獲得したものの、反省点の多い勝ちとなった。次戦に向けて修正したい。
キヤノンは前半の入りに難があった。もっと早くからペースをつかまなければ上位と良い試合はしても、喰うところまでは届かない。力強い応援団とも一体になって次節こそは大願を成就してほしい。(澤村 豊)
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