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2節 マッチサマリー(NEC 26-27 トヨタ自動車)

NECグリーンロケッツ 26-27 トヨタ自動車ヴェルブリッツ
【week2/2012年9月8日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】

NEC 26-27 トヨタ自動車   NEC 26-27 トヨタ自動車   NEC 26-27 トヨタ自動車   NEC 26-27 トヨタ自動車

トヨタ、我慢の逆転で廣瀬監督初勝利。NECは窪田の100キャップを勝利で飾れず

後半、34分、NECは田村のPGで3点を追加し、スコアはNEC26-20トヨタとなっていた。前半はNECのペースで試合を運べていたが、NECは後半に入り、なかなか点差をセーフティリードまでには広げられずにいた。
トヨタも後半には、何とか試合の流れを変えようと、SO黒宮などリザーブの選手全員を投入していた。

後半35分、敵陣でラインアウトを得たトヨタは、ラインアウトからFWでポイントを作り、ラックから出たボールを、SO黒宮がオープンにパントキックを上げた。ボールはNECのFB窪田の前で、トヨタにラッキーバウンドとなり、ボールをチェースして走り込んできたFBイェーツの胸にそのまま入り、イェーツが右サイドを走りぬきトライ。26-25の1点差となった。逆転のかかったコンバージョンを狙った黒宮がキックをミスしながらボールはゴールポストの内側にはねて、2点追加。26-27とトヨタが残り5分でようやく逆転した。

しかし、点差は1点。トヨタが自陣での反則を犯せば、NECのPGとなり、再逆転される。
この直後、トヨタ陣に攻め込んだNECは、PKを得るが、FLラトゥはクイックアタックを選択し、NEC FWがゴール前に。ナドロがゴール前に迫るがノッコン。ゴール前での攻防の後、ゴール前左サイドでトヨタボールのスクラムでトヨタがボールコントロールできなくなったとき、ノーサイドを告げるホーンとともに、主審平林レフリーの腕が上がり、トヨタのコラプシングの反則を告げた。NECにとっては、まさに最後の逆転チャンスとなったPGだったが、CTB田村のキックは右に外れ、ノーサイド(NEC26-27トヨタ)。勝利の女神はトヨタに微笑んだ。

試合開始後、前半2分には、トヨタはラインアウトからのバックスの左ラインアタックでボールをもらったFBイェーツがNECバックスの甘いディフェンスの隙をついてトライ(ゴール成功、0-7)とリードしたが、18分にはNECがラインアウトから、SOマッキンタイアーのパスをアングルを変えて走り込んできたCTB森田茂希がもらい、そのまま抜けてトライ(ゴール成功)7-7と、同点にされた。その後、23分にはトヨタ自陣ゴール前のトヨタボールのラインアウトでのこぼれ球にNEC SH櫻井が素早く反応し、そのままトライ(ゴール成功)、NECが14-7とリードし、その後、双方PGで加点し、NECが17-10でハーフタイムを迎えた。トヨタとしてはFWがフィジカルで勝ちきれず、ディフェンスではミスが出てNECに得点をされ、波に乗れない前半戦となった。

後半、1分にNECがPGで加点した後、9分にはトヨタがラインアウトからの攻撃で最後は右へのバックスラインでFBイェーツからWTB松下にパスが渡りトライ(ゴール成功)、得点を20-17まで返し、その後両チームともPGで加点し、34分には26-20となっていた。

後半31分にはNEC田村が40mと距離のあるPGをはずし、また、試合終了時の最後のPGも失敗と不運が続いたのに対し、トヨタは決勝トライ時のキックのラッキーバウンド、その直後のゴールポストに当たって入ったコンバージョンと、「運」というか、「勝負のあや」に恵まれ、トヨタがどちらに勝利が転がり込んでもおかしくない試合を手にした。トヨタは、これで第3節以降、自信を持って戦いを進めていけそうだ。
一方、NECは、FB窪田のトップリーグ100キャップとなった試合を勝利で飾れず、開幕2連敗となった。(正野雄一郎)

NEC 26-27 トヨタ自動車   NEC 26-27 トヨタ自動車   NEC 26-27 トヨタ自動車   NEC 26-27 トヨタ自動車
会見ダイジェスト
NECグリーンロケッツ
クーパー ヘッドコーチ(右)、浅野キャプテン
クーパー ヘッドコーチ(右)、浅野キャプテン

■NECグリーンロケッツ
グレッグ・クーパー ヘッドコーチ

「この試合は窪田選手の100試合目ということで、彼に敬意を表すためにも、身体を張るようにお願いし、今日は素晴らしいトヨタさんに対し、選手が献身してくれたことに満足しています。十分に勝てた試合だったと思うし、最後のトライはバウンドが良くなく、内に転がる不運がありました。トヨタさんもしっかり組織的なパフォーマンスをしましたし、この勝利に対しておめでとうと言いたいと思います」

──メンバー交代は?

「全体的な80分の戦力を考えて代えました。西田へのスクラムハーフの交代は、試合を終わらせることができる経験ある選手だからです」

浅野良太キャプテン

「まず初めに窪田の100キャップはNECで初めての達成であり、本人の今までの努力と献身に尽きると思います。また、創部27年になりますが、OBはじめ、ラグビーにかかわった関係者がサポートしてくださったおかげで、達成できたとも感じています。ゲーム前から、窪田のために必ず勝つという思いで、皆、戦っていました。後半も、サントリー戦より良いパフォーマンスができました。結果は負けですが、残り11試合、毎週、毎週、次の対戦に向けて努力していきたいと思います」

──ショットを狙った場面とそうでない場面の理由は?

「ゲームオプションとして、行けるところは行こうというものがあり、個人の判断で、ニリ(ラトゥ選手)が持って出ました。間違ったオプションではありません。結果的に最後のショットは外れたが、3点ずつ積み重ねるだけでなく、敵陣に行くことが大切な時間帯でした。6点差は一番微妙な差ですが、トライとコンバージョンが合わさらなければ勝てるわけですから、選択は間違っていなかったと思います」

NEC 26-27 トヨタ自動車   ジャパンラグビー トップリーグ リーグ戦通算100試合出場を達成した窪田選手(NECグリーンロケッツ)
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
広瀬監督(左)、上野キャプテン
広瀬監督(右)、上野キャプテン

■トヨタ自動車ヴェルブリッツ
廣瀬佳司監督

「ちょっとセットプレーのミスがあり、前半失点し、なかなか波に乗れなかったのですが、敵陣に入ってからスコアできて、後半はしっかり流れに乗れたと思います。こうした厳しい試合に勝てて良かったと思います。選手も自信が付いたのではないでしょうか」

──トップリーグ監督として初勝利だが?

「非常に苦しい勝利だった分、すごく嬉しいです。僕自身も初戦に負けて、気分を切り替えるのに時間がかかりました。選手は波に乗ってやってくれました。毎週、毎週、厳しい試合が続くので、頑張っていきたいと思います」

上野キャプテン

「お疲れ様です。僕たちのセットピースでは、大事なところで、ペナルティで得点に結び付けられ、苦戦しましたが、最後は勝てて良かったです」

──先週勝てず、切り替えが難しかったのでは?

「もちろん、監督も僕も切り替えようと言いましたが、しっかり選手が受け止めてくれて、メンバーもメンバー外の選手も、すごく良い準備を月曜からスタートしてくれました」



2012年9月9日

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