トヨタ、我慢の逆転で廣瀬監督初勝利。NECは窪田の100キャップを勝利で飾れず
後半、34分、NECは田村のPGで3点を追加し、スコアはNEC26-20トヨタとなっていた。前半はNECのペースで試合を運べていたが、NECは後半に入り、なかなか点差をセーフティリードまでには広げられずにいた。
トヨタも後半には、何とか試合の流れを変えようと、SO黒宮などリザーブの選手全員を投入していた。
後半35分、敵陣でラインアウトを得たトヨタは、ラインアウトからFWでポイントを作り、ラックから出たボールを、SO黒宮がオープンにパントキックを上げた。ボールはNECのFB窪田の前で、トヨタにラッキーバウンドとなり、ボールをチェースして走り込んできたFBイェーツの胸にそのまま入り、イェーツが右サイドを走りぬきトライ。26-25の1点差となった。逆転のかかったコンバージョンを狙った黒宮がキックをミスしながらボールはゴールポストの内側にはねて、2点追加。26-27とトヨタが残り5分でようやく逆転した。
しかし、点差は1点。トヨタが自陣での反則を犯せば、NECのPGとなり、再逆転される。
この直後、トヨタ陣に攻め込んだNECは、PKを得るが、FLラトゥはクイックアタックを選択し、NEC FWがゴール前に。ナドロがゴール前に迫るがノッコン。ゴール前での攻防の後、ゴール前左サイドでトヨタボールのスクラムでトヨタがボールコントロールできなくなったとき、ノーサイドを告げるホーンとともに、主審平林レフリーの腕が上がり、トヨタのコラプシングの反則を告げた。NECにとっては、まさに最後の逆転チャンスとなったPGだったが、CTB田村のキックは右に外れ、ノーサイド(NEC26-27トヨタ)。勝利の女神はトヨタに微笑んだ。
試合開始後、前半2分には、トヨタはラインアウトからのバックスの左ラインアタックでボールをもらったFBイェーツがNECバックスの甘いディフェンスの隙をついてトライ(ゴール成功、0-7)とリードしたが、18分にはNECがラインアウトから、SOマッキンタイアーのパスをアングルを変えて走り込んできたCTB森田茂希がもらい、そのまま抜けてトライ(ゴール成功)7-7と、同点にされた。その後、23分にはトヨタ自陣ゴール前のトヨタボールのラインアウトでのこぼれ球にNEC SH櫻井が素早く反応し、そのままトライ(ゴール成功)、NECが14-7とリードし、その後、双方PGで加点し、NECが17-10でハーフタイムを迎えた。トヨタとしてはFWがフィジカルで勝ちきれず、ディフェンスではミスが出てNECに得点をされ、波に乗れない前半戦となった。
後半、1分にNECがPGで加点した後、9分にはトヨタがラインアウトからの攻撃で最後は右へのバックスラインでFBイェーツからWTB松下にパスが渡りトライ(ゴール成功)、得点を20-17まで返し、その後両チームともPGで加点し、34分には26-20となっていた。
後半31分にはNEC田村が40mと距離のあるPGをはずし、また、試合終了時の最後のPGも失敗と不運が続いたのに対し、トヨタは決勝トライ時のキックのラッキーバウンド、その直後のゴールポストに当たって入ったコンバージョンと、「運」というか、「勝負のあや」に恵まれ、トヨタがどちらに勝利が転がり込んでもおかしくない試合を手にした。トヨタは、これで第3節以降、自信を持って戦いを進めていけそうだ。 一方、NECは、FB窪田のトップリーグ100キャップとなった試合を勝利で飾れず、開幕2連敗となった。(正野雄一郎)
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