サントリー、アタッキングラグビーでV2へ白星スタート
10年目を迎えたトップリーグの初戦。サントリーは大久保監督・真壁主将、NECはグレッグ・クーパー ヘッドコーチ・浅野主将と、それぞれ、新たな指揮官・スキッパーによる試合は、後半、サントリーのアタッキングラグビーがNECのディフェンスにまさり、トライを重ねて白星スタートを切った。
キックオフ直後から、サントリーが数次に亘る攻撃でゴール前に迫る。SHデュプレアからのパスはSOへだけでなく、ラックの後ろから湧き出てくるようなFWの選手へ、また、直接CTBへと素早くわたり、また、時には直接のキックもありと、多彩な攻撃の連続でゴール前に迫る。そのような攻撃から、5分にはゴール前スクラムからでブラインドWTB長友が内側を突き、そのボールをすぐにSHデュプレアからもらったLO真壁がインゴールへ押し込みトライ(ゴール不成功)、サントリーが5-0といいスタートを切った。
しかし、NECも前半はブレイクダウンで負けず、SO田村を軸にボールをよく展開して敵陣に攻め込んだ。14分にはFL村田の突進でゴール前まで攻め込み、16分にはサントリーがターンオーバーで得たボールをFB有賀が自陣からアタックするところ、有賀のパスをNEC WTBナドロがインターセプト。SHデュプレアがよく戻ってタックルするも、それを振り切り、トライ(ゴール成功)、5-7と逆転した。
その後、両チームともよくディフェンスし、なかなかトライは取れなかったが、NECがディフェンスでハイタックルなどのペナルティを取られることが多く、サントリーはその機にしっかりPGにより得点を追加し、サントリーが11-10とリードしてハーフタイムとなった。
NECのディフェンスの立て直しが課題となった後半だったが、後半1分、NEC FL宮本がハイタックルで「チームによる反則の繰り返し」となりシンビン。サントリーはこの数的優位の時間帯、後半4分に、敵陣ゴール前でのラックからのボールをSHデュプレアがブラインドサイドに走り込んできたFB有賀に直接パス。有賀がNECディフェンスの甘くなったサイドを突破し、左中間にトライ。サントリーが試合の流れをつかみ、18-10とリードを拡げた。
その後もアタッキングラグビーを継続したサントリーは13分には連続攻撃から、最後はよくフォローしていたPR畠山-HO青木-WTB小野澤とつなぎ、小野澤が勝負を決めるトライ(ゴール成功、25-10)。さらに、21分にはSO小野が、37分には途中から交替出場しているSOピシが、それぞれNECのサイドディフェンスの隙をつき、トライを追加し、この日、計5トライ。サントリーはボーナスポイントも手にした。
NECは試合終了を告げるホーンが鳴った後、WTBナドロがこの日2本目のトライを返し、後半は、今年も切り札ナドロが健在なところを見せるにとどまった。
蒸し暑い天候の中、汗でボールが滑る選手には厳しいコンディションの試合だったが、両チームともミスが少なく、よくボールを展開して積極的にアタックを継続していた。今シーズンも好試合の連続が期待できそうで楽しみとなるトップリーグ初戦だった。(正野雄一郎)
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