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TOPプレビュー特別編「トップリーグ入替戦」プレビュー

豊田自動織機が福岡サニックス、
クボタがNTTドコモにチャレンジ!

サントリーサンゴリアスがパナソニック ワイルドナイツを破り、4年ぶり2度目のトップリーグ王者となったファイナルでプレーオフトーナメントは終了。
だが、まだ熱い戦いは残されている。
3月3日、福岡と大阪で来季のトップリーグ参戦権を懸けた入替戦が行われるのだ。

トップリーグ14チームのうち入替戦に回ることになったのは、リーグ戦11位の福岡サニックスブルースと同12位のNTTドコモレッドハリケーンズ。
トップリーグ残留をかけて、サニックスがトップチャンレンジシリーズ4位の豊田自動織機シャトルズと、NTTドコモが同シリーズ3位のクボタスピアーズとそれぞれ対戦する。

 
LOソーン抜きのサニックスはどんな戦いを見せるのか? ベスト 15に選ばれたCTB小野のゲームメイクにも注目だ
photo by Kenji Demura (RJP)

とにかく、どこからでもボールを動かして攻め続ける独自のスタイルでトップリーグの中でも確固たる存在感を示してきた福岡サニックスだが、今季序盤戦は苦しい戦いが続いた。
開幕から第5節まで5連敗。現役NZ代表の大物外国人LOブラッド・ソーンの参加でセットプレーが安定し、攻撃ラグビーにいっそう磨きがかかることが期待されたが、むしろソーンがもたらす安定感は、相手を混乱に陥れながら自分たちのアタックを構築していくような破天荒と言ってもいい福岡サニックスらしさを削ぐ副作用として働いてしまった面もあったようだった。

実際、シーズン初白星は、ソーンをメンバーから外す大英断が下された第6節のトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦で得られることとなった。
「初心に戻って、もう一度、自分たちのラグビーを取り戻したのがトヨタ自動車戦だった」と振り返るのは、下位チームながらトップリーグベスト15に選ばれたCTB小野晃征。
自分たちのスタイルを再確認できたトヨタ自動車戦以降は、今季のトップ3全チームと対戦しながら4勝4敗の勝率5割をキープして、自動降格を逃れることに成功。
切り札のWTBカーン・ヘスケスもリーグ戦終盤3試合で計4トライを挙げるなど、昨季のインパクトを取り戻しているだけに、地元・福岡グローバルスタジアムで戦えるホームアドバンテージを考えてみても、入替戦では有終の美が期待できそうだ。

対する豊田自動織機は、2月に行われたトップチャレンジ1シリーズでは、苦しい戦いを余儀なくされた。
キヤノンイーグルス、九州電力キューデンヴォルテクス、クボタスピアーズ相手の3試合で計17トライ、126失点を喫して最下位に沈んだ。

「これだけトライを取られて負けているので、トップリーグ昇格どうこうなんて言うのはおこがましい」
2月11日のトップチャレンジ1最終節でクボタに敗れた後の記者会見では、田村誠監督がそんな弱気を吐く場面もあったが、3週間でどれくらい精神面で立ち直っているかが、トップリーグ昇格を懸けた一発勝負をものにするための第一条件ではあるだろう。
クボタ戦で控えに回ったSOマリー・ウィリアムス、リザーブメンバーからも外れていたNO8斉藤祐也などの主力が先発に復帰。
「タックルで下に入ること、サポートをしっかりすること」(同監督)など、ベーシックな部分でのプレーの精度を上げて強敵福岡サニックスに臨むことになる。

トップチャンレンジでは大量失点続きだった豊田自動織機はディフェンスを立て直せるか(写真は先発に復帰するSOウィリアムス)
photo by Kenji Demura (RJP)

クボタの"トップチャレンジ・ショック"からの回復度は?

大阪・近鉄花園ラグビー場で行われる、もう一方のカードは、トップリーグ初のシーズンながらギリギリのところで自動降格を免れたNTTドコモと、昨季まで8年連続トップリーグで戦ってきた経験を誇るクボタという興味深いチーム同士の顔合わせとなった。
開幕節で同じ昇格組のHonda HEATと引き分けた後は、いずれも30点差以上をつけられての4連敗を喫するなど、トップリーグの洗礼を浴びるかたちで苦しい戦いが続いていたNTTドコモだが、第5節のパナソック ワイルドナイツ戦では、敗れたものの4トライを上げて勝ち点1を獲得。
そのパナソニック戦後に「上位チームと対戦の中で、トップリーグでの戦いに馴染んできた部分もある」と語っていたのは、元日本代表主将でもあるNO8箕内拓郎だったが、その言葉どおりに翌節の神戸製鋼戦でトップリーグ初白星を記録。
第12節でも、セミファイナリストであるNECグリーンロケッツを下すなど、上位陣との対戦の中で挙げたポイントが効いて、勝ち点差「2」で自動降格を免れた。

「体を張った、泥臭いプレーを80分間続けて、残留を決めたい」とは、リーグ戦最終節の福岡サニックス戦を前にWTB平瀬健志主将が語っていた言葉だが、それは入替戦の対クボタとの一戦にも当てはまりそうだ。

初昇格ながら自動昇格を免れたNTTドコモ。厳しい戦いの中で成長したチーム力でクボタとの激戦に臨む
photo by Kenji Demura (RJP)

対するクボタのメンバーはトップチャレンジシリーズ最終節での自分たちの試合が終わった時点では、よもや入替戦で自分たちがプレーすることになるとは、ほとんど予想できていなかったかもしれない。
それは、以下のような事実にも表れている。

同シリーズ最終節の第1試合で豊田自動織機に快勝したクボタの選手たちは、試合後のグラウンド上で、すでに今季での引退の決意を固めていた元日本代表のユーティリティBK吉田英之を胴上げした。
もちろん、その試合が吉田英にとって現役最後の試合になるはずだったからこその胴上げだったわけだが……現実的には、吉田英はそれから3週間を経ての入替戦のリザーブメンバーにも名を連ねることになった。

クボタが豊田自動織機に大勝した時点の現実は、第2試合で九州電力がキヤノンに39点差以上をつけて勝つことがなければ、クボタにトップリーグ自動昇格の権利が与えられるというものだった。
すでに、豊田自動織機を46-24、当のクボタも37-24で破って初のトップリーグ昇格を決めていたキヤノンが、トップリーグ第1節でクボタに敗れていた九州電力相手に、それほどの大敗を喫することは、常識的には考えにくいことでもあった。
ところが、その誰も予想できなかったことは現実となってしまう。
なんと、九州電力が68-17という大差でキヤノンを下し、クボタを上回るかたちでトップチャレンジシリーズ2位に滑り込み、自動昇格権を獲得してしまったのだ。

「まだ、何が起こるかわかりませんから」
豊田自動織機戦後の記者会見で「おめでとうございますと言うべきでしょうか」と声をかけられた佐野順監督が危惧していたとおりに、よもやの入替戦まわりとなってしまったクボタ。
何よりも、再度のトップリーグ昇格へのチャレンジに向けてもう一度モチベーションを高められるかが、トップリーグ1シーズン目の新鋭チームとはいえメンバー的には箕内をはじめ、PR久富雄一、HO水山尚範、CTB中矢健といった日本代表経験者も含む経験豊かな選手たちや、FLスティーブン・セテファノ、SOハミッシュ・ガード、FBミルズ・ムリアイナなど、インパクトと安定感を兼ね備えた外国人選手も揃うNTTドコモを倒すための第一条件となる。

text by Kenji Demura

豊田自動織機に快勝した時点では昇格確実と思われたクボタは気持ちを切り替えてNTTドコモ戦へ(写真はFLマクメニマン)
photo by Kenji Demura (RJP)


2012年3月2日

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