レギュラーシーズンでは、近鉄が35-16とヤマハ発動機を下し、とりわけ後半の中盤以降は近鉄のアタック力が光ったゲームであった。雪辱に燃えるヤマハ発動機はブレイクダウンでプレッシャーを受けずに素早い攻撃を加えられるか、どちらも勝利を収め日本選手権への切符を手に入れたい重要な一戦。
前半開始早々の2分、近鉄は22mL中央ラックから素早く左展開、右WTBリコ・ギアがラインブレイク、オフロードパスを受けたSH金哲元から左FLレプハ・ラトゥイラに繋がり左中間にトライを挙げ先制、スタンドの近鉄ファンからは大歓声が上がる。
この後も近鉄は、出足鋭くラックでのターンオーバー、右WTBギアのラインブレイク、など積極的な攻撃でヤマハ発動機に攻撃のリズムをつかませない。
一方ヤマハ発動機はディフェンスから活路を見出し、ゲームの流れを引き寄せようと近鉄の攻撃に耐える中、26分に得たPKを得点王のFB五郎丸歩が逆風をよく計算した低い弾道でPGを決め7-3と詰め寄る。
近鉄はリスタートから勢いよくヤマハ発動機陣内に攻め込むが、28分、ヤマハ発動機は自陣30m左中間ラックターンオーバーから右展開、左CTBマレ・サウが抜けだし、最後はFB五郎丸が近鉄ディフェンスの隙を走り左中間にトライ(ゴール)、7-10としてヤマハが逆転。近鉄もホーン後の40分、10番SO重光がPGを返し、10-10として前半を終了する。
後半、近鉄が6分、14分とPGのチャンスを逃し、ヤマハ発動機には近鉄ラックをターンオーバーするなどFWに勢いが戻る。ヤマハ発動機は強風を利用したキックで陣を進め、16分、10mL中央ラックからSO太田尾が右ライン際に上げたパントを右CTB宮澤がとり、内についた途中出場のSH中垣が右中間にトライ(ゴール)を決め、10-17と再びリードする。
近鉄はこの後、再三ヤマハ発動機ゴール前まで迫るが、焦りからかイージーミスを犯すなどなかなかトライを奪えない。ようやくノーサイド直前の39分、ゴール前10m右ラックから途中出場のSOフィリが左ライン際に位置するWTBギアへのキックパス、インゴールでヤマハ選手が取損ねた球をギアが押さえ、15-17と2点差。ゴールが決まれば同点だがリーグ戦上位の近鉄に選手権の切符が手に入る。しかし、SOフィリの右足から放たれたコンバージョンキックは近鉄ファンの祈りも通じず左に外れ、万事休す。
日本選手権への出場権はヤマハ発動機が手に入れ5年ぶり4回目の出場を果たした。近鉄は選手権への出場こそ逃したが、今期リーグ戦は過去最高の5位。来シーズンのさらなるレベルアップを期待したい。
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