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平田監督(右)、齊藤ゲームキャプテン
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◎九州電力キューデンヴォルテクス
○平田輝志監督
「今日、うちは高いモチベーションで臨みました。1試合目の結果で、しなければならないことが明確になりました。正直、この得失点差はプレッシャーでした。このプレッシャーを楽しんで、この舞台で力を出せた選手を本当に誇りに思いますし‥‥感無量です。今年一年間、ここに来るまで、決して平坦な道のりではありませんでした。大きく会社が揺れ動いている中で、ラグビーをやれる幸せと、その使命の大きさ、それ以上にトップリーグ昇格が大きな課題であると受け止めて活動してきました。正直、本当にキツかったです。選手もキツかったと思いますが、そういう中で昇格を決めることができたことを素直に喜びたいと思います」
──どんな指示を?
「春から監督に就任し、私の経験が浅く、自分だけでのノウハウではチームを変えられないと思いました。そこで、先ず、監督としての仕事は、発する言葉が選手に響かなくてはいけないと思ってやってきました。例えば、クボタ戦の前は、『クボタ戦に勝つことだけがすべてだ』と言ってきました(笑)。負けたら、ロッカールームで『もう、忘れた。自然体で頑張ろう』と選手にアプローチしました(笑)。昨日、ジャージを渡すときに『キヤノンには覚悟の差で勝つ、1年やってきたことだけでなく、ラグビー人生を賭けろ』と言いました」
──九電全体が揺れ動き、練習などに影響はなかったのか?
「照明関係です。会社が節電を呼びかけている中、夜、煌々と電気を点けて練習するわけにはいきません。全員がサラリーマンラガーで、明るい内から練習できませんので、練習を組み替えて、努めて照明の管理をしました。これも監督の仕事です。近隣の皆様のご理解も得られて、ありがたかったです」
──クリス・ジャック選手については?
「スイッチが入るとグラウンドの雰囲気を変えてしまう選手です。普段は物静かな選手ですが、表情一つで他のメンバーを変えてしまいます。クボタさんに負けて、織機戦は絶対に勝たないといけなくなったとき、彼が前に出てきましたね。本物だなと思いました。トップ九州では、物足りないと思ったファンの方もいたかもしれませんが、私の彼への信頼はまったく揺るぎませんでした。私が言うまでもなく、練習から相当なものがありました」
──今日はスコアラグビーだったのか?
「そういう、くくりが一番良いですね(笑)。本当にスコアラグビーでした。正に、シナリオどおりです」
○齊藤玄樹ゲームキャプテン
「キヤノンさんはトップリーグ昇格を決めていて、クボタさんと織機さんの結果次第で、多少、戦い方を替えなくてはと思って臨みました。第1試合の得失点差が大きく、正直、プレッシャーがあったからこそ、締まって、僕たちの気持ちの方が勝ったのかなと思います。しっかり、あわてず、トライを獲り急ぐことなく、フィールドポジションを取っていった結果、勝てたのかと思います。まだ、信じられませんが、支えて下さったファンの皆様、会社関係者、スタッフ、チームメイトを誇りに思います。今日は本当にありがとうございました」
──後半、これが入れば昇格圏内というコンバージョンを失敗したが?
「プレッシャーがありました(笑)。時間も早かったので、そのスコアで終わるとは思っていませんでしたが‥‥、ちょっと滑りました(笑)」
──頑張ったことは?
「試合を通じて、グラウンドの中で獲り急ぐなと言っていました。どうしても、気持ちがはやるFWが多いので、多少、無茶なことや、いつもはしないことをします。そうすると、リズムが崩れます。安全圏内に入るまでは同じ事をやれと伝えました。僕自身も、フィールドポジションを取りに行こうとしたし、結果、それが良かったのだと思います」
──クボタの大差での勝利に、無理かもと思わなかったか?
「正直、思いました。過去、キヤノンさんと去年やって負けていましたし、トップチャレンジ2戦を通じて38点以上差をつけたチームもいませんでした。個人的に厳しいと思ったけれど、それは出しちゃいけないし、さりとて、39点取ろうとは、みんなには言えませんでした。勝つことだけを考えようと言いました」
──どの辺りから39点を意識し始めたのか?
「ハーフタイムの時点で、あと3本トライをとればという辺りからです。前半の感じでは、軽く行けるのではないかと思いました」
──九電全体が揺れ動いた1年だが?
「会社の大きな事はあまり分かりませんが、所属の上司や仕事の仲間に感謝しています。僕たちが、この状況の中でラグビーができるのは、当たり前のことではありません。僕たちの活動を理解して貰っていた、その人たちのためにもトップリーグに上がらなければと思ってやってきました。本当に感謝の気持ちで一杯です」
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