レギュラーシーズン11節を終え、前節NTTコミュニケーションズを下し勝ち点34として4強への望みをつないだ6位の近鉄、これに対し、前節神戸製鋼に逆転勝利し、勝ち点48で首位に躍り出て、レギュラーシーズン1位を目指すパナソニック。また、得点ランキングでも近鉄のSO重光泰昌とパナソニックFB田邊淳がそれぞれ5位と3位につけており、終盤の得点争いも楽しみな一戦。
前半近鉄キックオフでゲームが始まると、近鉄はパナソニック陣内に深く攻め込み2分、ゴール直前左中間ラックから右PR成昂徳がSO重光に繋ぐとディフェンスの隙間をするするっと抜け中央に先制トライ、ゴールも重光が決め7-0とリードする。この勢いを駆って6分にも22mL中央付近でパナソニックのキック処理のミスを突き、右WTB坂本和城が中央にトライを挙げると、スタンドの近鉄ファンからは大きな歓声が上がった。
ここまでパナソニックは早い時間帯に失点する今シーズンの悪い癖が出て、近鉄の持ち味を引き出してしまいリードを奪われる。しかし、パナソニックはこれを境に落ち着きを取り戻し、12分FB田邊が10mL付近左中間からロングPGを決め14-3とすると、17分にはゴール前22mL左中間ラックから左へ展開しキャプテンHO堀江翔太がトライを決め、14-10と射程圏内に捕らえる。この後は両チーム決め手を欠き、前半終了直前、近鉄のトライチャンスにスタンドが沸く場面もあったが、寸前でパナソニックに潰され、ハーフタイム。
後半両チームともPGで得点を重ね17-13で迎えた16分、近鉄は自陣ラインアウトのクイックスローから左展開し、途中出場の左CTBリコ・ギアが自らのキックをつかんでゴール前で右CTBジェフリー・イエロメにクロスパスして右隅にトライ(ゴール)、22-13と引き離す。
しかし、首位を走るチームのパナソニックはあわてることなくアタック、24分ゴール前のラインアウトからFWがモールを押し込み、No.8バツベイシオネがトライを返し22-18と再び射程圏内に捕える。27分には自陣10mL左中間ラックからHO堀江がショートサイドを突き前進を図り、最後はSH高安厚史から放たれたボールが瞬く間に右WTB北川智規まで繋がり、右ライン際を鮮やかに駆け抜け中央に回り込んでトライ。ゴールも決め22-25と首位チームの意地を見せ逆転に成功。パナソニックは、このまま試合の流れを離さず、近鉄を3点差で振り切り、首位(1月28日時点)をキープした。近鉄にとっては、プレーオフ進出の希望が潰えた惜しまれる一戦となった。
マン・オブ・ザ・マッチはパナソニック左LO北川勇次が選ばれた。
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