冷たい生駒颪(おろし)の中、コカ・コーラの先蹴で、勝ち点5を目指す戦いが始まる。
序盤から積極的にボールを動かすコーラは1分、トヨタ陣ゴール前スクラムからNO.8ファアマトゥアイヌのサイドアタック。SH香月がアングルチェンジであっさり抜け中央にT。(G成功7-0)
集中力が高まらない内に先制点を奪われたトヨタは、BKの展開からリズムを取り戻したかに思えたが、セットプレーからのリ・スタートが巧くいかず、拙攻を繰り返す。8分、ようやくコーラ陣ゴール前からモールを押し込んだトヨタ、右へ展開したボールをCTB山内がキレ鋭くゴールへ切れ込みT。(G成功7-7)
追いついたトヨタは落ち着いてゲームを進めるかと思われたが、強引なオープンアタックをインターセプトされるなど不安定さが目立つ展開。
13分、22分とトライを重ねリードを拡げるトヨタだが(7-19)、積極的にアタックする動きとは裏腹にキックでのエリアマネジメントが今ひとつなど、イージーミスが目立ち、攻めきれない。とはいえ36分、38分と連続トライで前半早々にボーナスポイントを獲得したトヨタが7-33で折り返す。
後半4枚の交替カードを切った風上のコーラ。ゲーム序盤はもたついたが、51分右展開からLO豊田将がT(G成功14-33)し、追撃開始。
アタックのリズムが出てきたコーラは、55分中央ラックから出たボールをSOウェブが鋭く切れ込んだCTBベイトマンに繋ぎ、中央へT。(G成功21-33)
ボーナスポイントどころかトヨタの背中が大きくなったコーラに対し、ブレイクダウンを制することができないトヨタだが、必死の粘りでゴールラインを割らせない。
フォーンが鳴ったラストプレー、積極的にアタックしたトヨタボールをターンオーバーしたコーラがトライに結びつけ4トライ目を挙げる。5点差の敗戦としボーナスポイント2を獲得(28-33)。会見ではプレーヤーの積極性を高く評価したトヨタ朽木監督だが、昨年のTOP4からすれば寂しい内容。
残留に向け勝利しか残された道が無いコーラ、ワイルドカード獲得に向け勝ち点のみならず得失点差も詰めたいトヨタ。厳しい状況の最終節で、両チームの最高のパフォーマンスが期待される。マン・オブ・ザ・マッチはトヨタNO.8菊谷。(廣島 治)
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