ワイルドカード出場をかけた東海ダービー
昨日から今年初めての雨が磐田の街にも降り注いだが、キックオフ前には両チームの健闘を祝福するかのごとく上がり、伝統の東海ダービーが開始された。
今シーズン未だ中位に低迷している両チームだが、上位進出への想いは互いに強く、日本選手権出場をかけたワイルドカードトーナメントへの激しい試合を期待したファン4,669人を集め、ヤマハ発動機のキックオフで始まった。
試合は開始から一進一退の攻防が続いていたが、8分トヨタ自動車は中央付近のスクラムからテンポ良く攻め、左FLヘイデン・ポップグッドが先制トライを奪った。
その後はヤマハ発動機が敵陣で攻めているにもかかわらず取り切れない中、ヤマハ発動機のミスをうまく活かしたトヨタ自動車は、13分ハイパント攻撃からSH麻田一平がトライし12-0とリードを広げた。すぐに反撃したいヤマハ発動機は、キックオフ直後から相手ゴールに迫り17分ラックのサイドをついてHO加藤圭太がタックルを飛び越してトライを奪った。23分にもトヨタ自動車のオフサイドからゴール前5mラインアウトを得て、モールを押し込んだ後左に展開し、左WTB田中渉太が左隅にトライして同点に追いついた。そして、前半終了直前、左中間45mPGをヤマハ発動機FB五郎丸歩が決めた瞬間にホーンが鳴った。
前半終了あたりから降り出した冷たい小雨の中、15分過ぎまで激しい攻防が続いた。先手を取ったのはトヨタ自動車。18分ドロップアウトから右に回し、SOスティーブン・ブレットが抜け出し、パスを受けた右CTBスティーブン・イェーツが右中間にトライ。Gも決まり19-15と逆転した。25分にもブレットが左中間35mPGを決め、リードを7点に広げた。終了間際のヤマハ発動機の反撃をしぶとく食い止めたトヨタ自動車が逃げ切った。
今日のトヨタ自動車はディフェンスがすばらしく、後半ヤマハ発動機を零封した。後半のヤマハ発動機はミスが多く、自分たちのリズムに乗ることができないまま終了のホーンを聞いてしまった。ヤマハ発動機にとっては痛い敗戦となったが、残り2節で確実に勝ち点を積み上げたい。
ぐっと冷え込みが増してきたスタンドで最後まで声をからしたファンも、大人のラグビーを堪能したことと思う。勝ったトヨタ自動車の朽木監督は、日本選手権出場に向けて勝つしかない中、選手の頑張りを称えた。
マン・オブ・ザ・マッチは、得点シーンのすべてに絡んだブレットが受賞した。(静岡県ラグビー協会 石垣俊幸)
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