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9節 マッチサマリー(サントリー 35-29 NEC)

サントリーサンゴリアス 35-29 NECグリーンロケッツ
【week9/2012年1月9日(月) at 東京・秩父宮ラグビー場】

天気も良く風も微風な秩父宮ラグビー場から、第2試合は全勝のサントリーサンゴリアスと今季は好調なNECグリーンロケッツとの一戦が行われました。

サンゴリアスは試合前に選手全員が気合いのダッシュから始まった。
グリーンロケッツのキックオフで試合開始。
前半の試合の入りは膠着状態の中、サンゴリアスはペナルティからの早い球出しでグリーンロケッツは相手陣地での試合運びにグリーンロケッツが押し気味で試合を進めた。
最初の得点は12分にペナルティからサンゴリアスCTB12番ニコラスがPGを決める。3-0で試合が動き始める。
得点直後の14分にグリーンロケッツの攻撃でトライに見えたが、グラウンディングできず、15分に5mスクラムから左へ転回してFB15番大東が仕切り直しのこの試合初トライを奪う。3-5

18分に攻めるサンゴリアスにたまらずグリーンロケッツのペナルティからCTB12番ニコラスがPGを決めて逆転する。6-5
21分またまた、グリーンロケッツのペナルティでほぼ正面のPGをCTB12番ニコラスが決める。
グリーンロケッツのペナルティの多さが気になります。
24分に今度はサンゴリアスのペナルティによりSO10番田村が正面のPGを決める。9-8
28分サンゴリアスの連続攻撃から左へ転回してCTB13番平が相手をかわして左隅へトライをあげる。14-8
この時間帯は両チームの攻守の入れ替わりが激しくなる。
34分グリーンロケッツのペナルティで左40mのPGをCTB12番ニコラスが慎重に決める。17-8
前半終了間際にグリーンロケッツのWTB14番ナドロがボールを持って走るたびにスタジアムが沸くがなかなかトライが取れない。

後半はサンゴリアスのキックオフから始まるが、前半同様なかなか両チーム得点が取れない。
後半15分この得点もグリーンロケッツのペナルティでサンゴリアスのCTB12番ニコラスが正面35mのPGを決める。20-8
徐々にサンゴリアスがグリーンロケッツを突き放しにかかる。
19分、もうひとつのPG直後にCTB13番平の個人技でノーホイッスルトライをあげて中央のGをCTB12番ニコラスが決める。30-8

22分右に展開したグリーンロケッツのラインに左WTB11番ナドロが参加してサンゴリアスディフェンスを切り裂いてトライを決める。SO10番田村がGを決めて30-15でグリーンロケッツの反撃開始。
27分サンゴリアス陣地22m以内に攻め込んでいたグリーンロケッツのパスミスにWTB14番長友が素早く反応してボールを拾って走り出すとサンゴリアスの選手も反応してつないで右隅にWTB11番成田がトライをあげた。35-15
39分最後の攻撃になるのか、グリーンロケッツのWTB11番ナドロがパスを受けたら60m余りを個人技で抜けてトライを取り、SO10番田村がGを決めた。35-22
42分グリーンロケッツのWTB14番瀬崎が中央にトライを決めてWTB11番ナドロがGを決めるオマケ付きで35-29で試合終了。

サンゴリアスは全勝を守ったけれど、グリーンロケッツがトライ数を上回り4トライをあげてなおかつ、7点差以内でボーナスポイント2を取った。
前半のグリーンロケッツのペナルティの多さが得点に結びつき、後半は修正できただけにPGの失点が悔やまれる。
だがグリーンロケッツのWTB11番ナドロがボールを持つとスタジアムがどよめき、ひときわ大きな歓声が沸く。195cm129kgの彼の規格外のプレーを見るだけでも試合をs楽しめる。

この試合により現在4位で上位チームとの試合が無くなったグリーンロケッツに2005-06以来のトップ4入りがグッと近づいた。
トーナメントになるとより強さを発揮するグリーンロケッツなので今後の試合から目が離せない。

なお、マン・オブ・ザ・マッチはサントリーサンゴリアスのCTB12番ニコラスライアン選手が取りました。(奥山禎晴)

サントリー 35-29 NEC   サントリー 35-29 NEC   サントリー 35-29 NEC   サントリー 35-29 NEC
会見ダイジェスト
NECグリーンロケッツ
岡村ヘッドコーチ(右)、ラトゥ キャプテン
岡村ヘッドコーチ(右)、ラトゥ キャプテン


◎NECグリーンロケッツ
○岡村 要ヘッドコーチ

「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。今日は港区ダービーということで、サントリーさんと我々のサポーターがたくさんお集まりいただいて、良い環境で試合をすることができ、選手たちは幸せでした。選手たちはNECらしく、最後までビッグハートで戦ってくれて、すごく誇りに思うゲームでした。レフリーとのコミュニケーションについては、80分間しっかり対応できず、我々のまだ甘いところだと感じています。来週もかなり厳しい試合になりますが、しっかり戦ったことで、自信の持てるようになったゲームでした。サントリーさんよりトライが多く獲れて、本当に大きな2ポイントを獲得でき、選手を誇りに思います」

──後半途中までラインアウトが良くなかったが?

「セットプレーのところは確かに計算外でした。前半もゴール前のチャンスで、ミスで得点が取れませんでした。サントリーさんも上手かったというところがありますが、我々の力が甘かったところでもあります」

──ナドロ選手は足を痛めていたようだが?

「彼の作戦どおりでしょう(笑)。サントリーさんも緩んだのではないでしょうか。インカムで、打撲系で交代するまでの怪我ではないと報告を受けていましたので、最後まで出場させました。彼も痛かったとは思いますが、NECのプレーヤーらしく痛みを我慢してやってくれました。最後のトライはサントリーさんが彼を意識していたから獲れたと思います。ピッチにいるだけで価値のある選手です」

──ラックで、サントリーの方が、人数が少ないようだったが?

「我々もラックに人数をかけるつもりはありません。コンタクトエリアには自信を持っています。少人数でスローボールにすることは、しっかり準備どおりできたと思います。ターンオーバーでトライを獲られた場面でも、サントリーさんのアタックの形で獲られたわけではありません」

──トライ数はサントリーを上回ったが、反則も多かったのでは?

「ちょっとビデオを見てみないと分からないのですが、選手がフラストレーションを溜めて、我々のディシプリンを守れない悪循環が起きて、ペナルティを生んだのではと思います。チームとして、いろいろなゲームがありますが、崩れることなくやっていきたいと思います」

○ニリ・ラトゥ キャプテン

「サントリーさんよりも、我々はベターなラグビーができたと思います。コミュニケートの部分は、特にラック周辺で我々にとって有利な判定がなく、合わせるのが難しいゲームでした。サントリーさんとは、今シーズンのうちにもう一度戦うことになると思うので、その時には勝ちたいと思います。どのチームにも勝ってトップ4に入り、優勝するのがターゲットですので、勝ち点2を取れたのは素晴らしいと思います。来週もハードに頑張っていきたいと思います」

──サントリーのタックルもしつこかったが?

「サントリーさんのタックラーがラック周辺でロールアウェイしないので、ずっとコミットしたが、認められず、ターンオーバーされた場面がありました」

──力負けした部分は?

「何もありません。スクラムでも、良いパックをしたし、別に目に付くところはありませんでした。6点差は残念ですが、勝ち点2を取れたのは良かったです」

──ラックで、サントリーの方が、人数が少ないようだったが?

「今日はターゲットをラックに置いていませんでした。クリーンアウトを心がけましたが、十分に入れず、今日は二人目、三人目が遅かったと思います」

サントリー 35-29 NEC   サントリー 35-29 NEC   サントリー 35-29 NEC   サントリー 35-29 NEC
サントリーサンゴリアス
ジョーンズ監督(右)、竹本キャプテン
ジョーンズ監督(右)、竹本キャプテン

◎サントリーサンゴリアス
○エディー・ジョーンズGM兼監督

「今日はすごくタフなゲームでした。今シーズン、一番フィジカルなプレーができたのは嬉しく思います。ただ、最後にトライされたのは残念です。選手たちはタフに良くディフェンスしてくれたし、アタックでも、特に後半は良いアタックをしてくれました。来週に向けてパフォーマンスを上げていきたいと思います。
スターティングメンバーは5人くらい替えました。FBの竹本竜太郎が初キャップで、竹本家のお父さんはとても嬉しかったと思います(笑)。竜太郎は良いパフォーマンスをしてくれました。NECさんはとてもブレイクダウンでフィジカルな良いチームで、ナドロ選手にトライを獲られたのはさすがだと思います」

──後半の後半にやられて、ボーナスポイントを取られたが?

「そう、残念です。そこで、もう試合は勝ったと思っていたし、我々の最終的な結果にはあまり影響はないと思いますが、もう少しアタックの面でできれば、こちらもボーナスポイントが取れていたと思います」

──3点ずつ取る作戦だったのか?

「15点差をリードしたかったのです。今日はあまりグラウンドの中にスペースがなく、オフサイドぎりぎりまでディフェンスが認められていました。ラトゥ選手はどこからでもチャージに来て、すごく大きな彼専用のゲートを見つけたようでした(笑)。そこで、できるだけペナルティゴールを取れるときに取ることにしました。今日は本当に、準決勝みたいな試合でした」

──ジャパンのヘッドコーチになって初めての試合だったが?

「選手たちにも言いましたが、今までと何も変わりはありません。チームとして、引き続きシーズンを過ごしていきます。日本代表のコーチとしては、今日は試合のスタンダードが素晴らしい試合でした。今週、ウェールズ代表FWコーチのロビンが来てサントリーを見てくれましたが、思っていた以上にプレーのスタンダードが良かったと言っています。ただ、大学の決勝戦ではボールがどこにあるの、と言っていました(笑)。今日はボールが動いたので、彼はハッピーだったと思います」

──ジョージ・スミス選手のスーパーセーブについて?

「日本のラグビーファンはとてもラッキーです。今まで見たことのない、素晴らしい選手を見ることができますから。オーストラリア代表キャップ110の選手が、サントリーの試合でも毎回ベストを尽くしています」

○竹本隼太郎キャプテン

「NECさんはフィジカルが良くて、最初から簡単にトライを獲れるチームではありません。それでもPGで少しずつ得点し、自分たちのペースで試合することができました。勝って嬉しいですが、最後の10分はチームの意思統一が難しかったです。勝って、次に向けて反省できるのは良かったと思います」

──ホーンが鳴ったあと、中途半端だったのでは?

「インゴールで、もう一本獲りたいと選手がまとまり、コンテストするキックオフでしたが、本当に取りに行く意思決定ができていませんでした。もっと、ハドルを組んで行くべきでした。確認はしていたが、確認の強さが足りず、チェイスもリアクションもできませんでした」

──弟さんの出場については?

「まったく意識していませんでした。嬉しいは嬉しいですが、他のルーキーが出ても嬉しいですし、ルーキーの成長が我々を成長させると思っています」

──セットピースでもプレッシャーを掛けられたか?

「まあ、ラインアウトのディフェンスは良かったと思います。スクラムに関しては、タイミングをもっと合わせないといけませんが、全体的には良いコントロールができたと思います。ラインアウトについては納得しています。ブレイクダウンについては、試合に一生懸命でしたので、外から評価してもらった方が良いと思います」

──エディさんが日本代表のヘッドコーチになって初めての試合だったが?

「僕らは目標に向け、走り続けているし、もっと良いクラブにしたいという思いは、皆、去年から変わりません。ですから、何も変わりはありません」

──ジョージ・スミス選手のスーパーセーブについて?

「目の前で、本当にすごいプレーを見ました。簡単に真似できないプレーでした。これ以上ないお手本です」



2012年1月11日

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