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8節 マッチサマリー(神戸製鋼 22-19 東芝)

神戸製鋼コベルコスティーラーズ 22-19 東芝ブレイブルーパス
【week8/2011年12月25日(日) at 兵庫・ホームズスタジアム神戸】

神戸製鋼 22-19 東芝   神戸製鋼 22-19 東芝   神戸製鋼 22-19 東芝   神戸製鋼 22-19 東芝   神戸製鋼 22-19 東芝
C:2011, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)
神戸製鋼のキックオフで開始されたゲームは、序盤から互いに積極的なアタックを展開、観る者に大きな期待を抱かせる。
東芝の堅守に対し、針で開けたような穴から突き崩す激しいアタックを続けた神戸製鋼は2分、東芝陣5mラインアウトからモールを押し込み、PR山下が押さえトライ(ゴール不成功5-0)。
その後も張り詰めた緊迫感の中、ターンオーバーの応酬で一進一退が続くゲーム展開が動いたのは22分。東芝ゴール前でのブレイクダウンの連続から、神戸製鋼FLブラッキーが抜け出し、左隅にトライ(ゴール不成功10-0)。

湧き上がるようなDFを繰り返し、東芝に決定的なゲインを許さない神戸製鋼。ブレイクダウンでの‘アタックル'、スクラムでのターンオーバー。FW、BK一体となったDFは、東芝に得点の匂いすら感じさせず、前半を10-0で折り返す。

後半もミスを恐れない積極的なアタックを展開する両チーム。均衡を破ったのは東芝。47分、神戸製鋼陣5m付近でのラックから、LO大野が持ち出したボールをFLリーチがカットインで抜け40mを独走、左隅にトライ(ゴール成功10-7)し、神戸製鋼を射程圏内にとらえる。

互いに激しいアタックのフェイズを重ねるも堅守を崩せず、固唾を呑むような攻防が続いた58分、東芝ゴール前5m付近の神戸製鋼ボールスクラムから、SH佐藤がWTB大橋へ絶妙なパスを通しトライ(ゴール不成功15-7)。
セットプレーでも優勢な神戸製鋼は、続く63分にもハーフウェイライン付近から、LO谷口・PR安江の力強いラッシュからチャンスを掴み、最後は躍動感溢れるフォローのSH佐藤が左中間にトライ(ゴール成功22-7)。ボーナスポイントを獲得する。
反撃に転じたい東芝だが、ブレイクダウンに於けるDFの甘さから神戸製鋼にフェイズを重ねられ、アタックも神戸製鋼の分厚いフォローDFに阻まれ得点に繋がらない。

75分、79分と東芝が連続トライで追い上げるものの、最後の10分は神戸製鋼のゲームマネジメントにはまった形となり22-19でタイムアップ。今季最高に近い集中力と気迫の神戸製鋼が、東芝を呑み込んだ。マン・オブ・ザ・マッチはSH佐藤が選出されたが、献身的なフォローDFを最後まで続けたFW陣も讃えられるゲーム内容であった。(廣島 治)
神戸製鋼 22-19 東芝   神戸製鋼 22-19 東芝   神戸製鋼 22-19 東芝   神戸製鋼 22-19 東芝   神戸製鋼 22-19 東芝
会見ダイジェスト
東芝ブレイブルーパス
和田監督(右)、豊田キャプテン
和田監督(右)、豊田キャプテン


◎東芝ブレイブルーパス
○和田賢一監督
「神戸製鋼のプレッシャーに対して、受けてしまったことが敗因だ。とはいえ(終盤の追い上げについて)、ボールを動かすことができていたし、この点については、手応えを感じている。シーズン終盤に向けて修正を重ね、ひとつひとつ積み上げていきたい」

○豊田真人キャプテン
「監督のコメント通り、前半FWが受けてしまった。アタックの選択肢で逃げに走ってしまったことが悔やまれる。しっかり修正し、1月からの5連戦では東芝らしさをファンの方々にお観せしたい」

──逃げに走ったとは?
○豊田キャプテン
「逃げのオプションを選択した結果、後手を踏んでしまいFWが劣勢になってしまった。神戸製鋼の強いプレッシャーに対して、普段通りのアタックをしなかった、真っ向勝負を挑めなかったということ」

──敗れたNEC戦では、真っ向勝負で勝ちきれなかった印象があるが?
○豊田キャプテン
「今日のゲームは、まず自分達のスタイルで戦えなかった」
○和田監督
「自分達の形でボールキープができないまま神戸製鋼と対峙した結果を、真っ向勝負できなかったと表現している。タックルポイント直前でステップを切る際、ゲインラインを突くのでは無く、流れながらタックルを受けるプレーをしてしまい、ペネトレーターが役割を充分担えなかったことや、我慢強いDFができなかったことが敗因である」

──残り試合について。
○和田監督
「(序盤劣勢だった)スクラムは、フロントローが終盤にかけて良い修正をしてくれたと思う。ラスト15分での反撃はリザーブの踏ん張りの賜物であり、今後の戦い方に充分な手応えを与えてくれた」

神戸製鋼 22-19 東芝
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
苑田ヘッドコーチ(左)、平島キャプテン
苑田ヘッドコーチ(左)、平島キャプテン


◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○苑田右二ヘッドコーチ
「今日の勝利は、デッドゾーンでのコンタクトを制したことに尽きる。プレーヤーの健闘を讃えたい」

○平島久照キャプテン
「コンタクトエリアでの攻防について、練習でのイメージ通りにプレーできた。セットプレーでも相手に相当なプレッシャーをかけることができた」

──コンタクトエリアの攻防について。
○苑田ヘッドコーチ
「タックルの入り方等、東芝のプレーについて、相当細かい情報収集と分析を重ね、焦点を絞って準備してきたことが勝利に結実した」
○平島キャプテン
「今日のモールの出来が物語っているように、自分達のやりたいようにできた」

──58分、東芝を突き放すWTB大橋のトライについて。
○平島キャプテン
「10-7の場面で、PGの選択肢もあったが、キッカーに自信が窺えなかったので、セットプレーからトライを狙った(笑)。スクラムコントロールも巧くできていたし、自信はあった」



2011年12月28日

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