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5節 マッチサマリー(NTTコミュニケーションズ 6-45 東芝)

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 6-45 東芝ブレイブルーパス
【week5/2011年12月3日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】

NTTコミュニケーションズ 6-45 東芝   NTTコミュニケーションズ 6-45 東芝   NTTコミュニケーションズ 6-45 東芝   NTTコミュニケーションズ 6-45 東芝
東芝が開幕5連勝
冷たい雨の降りしきった第一試合から一転、日差しさえ見え始めた秩父宮ラグビー場において、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス対東芝ブレイブルーパスの試合が、東芝のキックオフで開始された。

開始直後は、互いに相手の様子を探るようなキックの応酬が続く。東芝は、FW陣の突進などで押し気味に試合を進めるも、自らの反則により攻撃が途切れ得点に至らない。一方のNTTコミュニケーションズも、ハーフウェイラインでクイックラインアウトから左に素早く展開、ラックを連取して敵陣内22mまで攻め込むがミスにより攻撃が続かない。
21分、東芝は相手陣内で得たペナルティから素早く前進、ゴール前の密集サイドを突いたNo.8豊田が先制のトライ、ようやく試合の均衡が崩れる(ゴール成功0-7)。26分、NTTコミュニケーションズは東芝のノックオンから積極的に攻め込み、相手ペナルティを誘ってSO君島が冷静にPGを決める(3-7)。29分、東芝は突破力のあるFL陣やCTBオト・ナタニエラなどの突進で大きく前進、最後はゴール前のラックからパスを得たSOヒルが縦に突いてそのままトライ(3-12)。
しかし、NTTコミュニケーションズも素早いディフェンスで東芝の追加点を許さない。前半終了直前、NTTコミュニケーションズは相手陣内の味方ラインアウトからNo.8アウエルアが豪快に突進、ラックからの素早い展開で東芝のオフサイドを誘い、SO君島がPGを決める(6-12)。

後半開始早々、東芝は、自陣22mまで攻め込んできたNTTコミュニケーションズのボールを密集からLO大野が拾い、FB松田から繋がれたパスを受けたWTB伊藤が約60mを快走、相手ゴール中央に回りこんでトライ(ゴール成功6-19)。勢いに乗る東芝は、15分、相手陣内25m付近で密集からのこぼれ球を拾ったWTB伊藤が二つ目のトライ、点差を広げる(6-24)。
もはや東芝の勢いは止められない。20分には、ラックからの相手キックを東芝FLベイツがチャージ、PR浅原が拾って突進、右に展開したボールをFLリーチが相手タックルを外しながら約30m走って余裕のトライ(ゴール成功6-31)。さらに27分、東芝は相手ゴール前10mでのラインアウトからモールで力強く押し込み、ラックから右サイドを突いたPR浅原がトライ(ゴール成功6-38)。NTTコミュニケーションズはワントライを狙って相手陣内に果敢に攻め込むが、東芝の固い防御を崩せない。38分、相手ゴール前5mラインアウトから密集となったところで東芝LO大野が抜け出しダメ押しのトライ(ゴール成功6-45)。

NTTコミュニケーションズをノートライに抑えた危なげのない試合展開ぶりは、フィジカルで上回る東芝の貫録を見せつけた。これで東芝は開幕5連勝、勝ち点25、現在トップの成績である。
なお、この試合で東芝のFL中居智昭(30歳)が、トップリーグ初の100試合出場を達成、祝福の花束贈呈を受けた。マン・オブ・ザ・マッチには、2トライをあげた東芝のWTB伊藤真が選ばれた。(小林吉文)
NTTコミュニケーションズ 6-45 東芝   NTTコミュニケーションズ 6-45 東芝   NTTコミュニケーションズ 6-45 東芝   NTTコミュニケーションズ 6-45 東芝
会見ダイジェスト
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
大沼監督(右)、友井川キャプテン
大沼監督(右)、友井川キャプテン


◎NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
○大沼照幸監督
「本日は天候の悪い中、ありがとうございます。スコアを見てお分かりのとおり、完敗です。もう少し自信あるディフェンスで戦いたかったのですが、東芝さんの一人一人の強さに、走られてはいけないプレーヤーに走られてしまいました。東芝さんのディフェンスが非常に固くて、開けられませんでした。厳しいゲームでしたが、得るものもありました。東芝さんのフィジカルが強い中、ブレイクダウンでも競ることができました。次の試合は気持ちを切り替えて臨みます」

──クイックボールを出せなかったが?
「うちもブレイクダウンにはこだわっていますが、東芝さんはいつもよりブレイクダウンに人数をかけていたと思います」

──次週に向けて?
「短い時間しかないので、修正ポイントを絞っていきます。セットピースをちょっと何とかしなくてはと感じています」

○友井川 拓キャプテン
「お忙しいところ、ありがとうございます。雨の中、シャイニングアークスのサポーターの皆さんが多くいらしていただいて、僕らの背中を押してくれました。それなのに不甲斐ない試合をしてしまい申し訳なく思います。東芝さんはフィジカルが強く、前へ出て倒せなかったことと、セットピースで機能しなかったことが敗因かと思います。次へ向けて頑張っていきたいと思います」

──もっとBKに回せば良かったのでは?
「まあ、そうですね。回せるチャンスの場合もありましたが、ブレイクダウンでクイックボールを出させてくれなかったのと、ボールキープもうまくいかず、理想のアタックができませんでした」

──次週に向けて?
「ディフェンスから流れをつくりたいと思います。今日は東芝さんのフィジカルの強さでラインを上げられなかったので、ディフェンスをもう一回、前に出したいと思います」

NTTコミュニケーションズ 6-45 東芝   NTTコミュニケーションズ 6-45 東芝   NTTコミュニケーションズ 6-45 東芝
東芝ブレイブルーパス
右から和田監督、中居選手、豊田キャプテン
右から和田監督、中居選手、豊田キャプテン

和田監督(左)、豊田キャプテン
中居選手


◎東芝ブレイブルーパス
○和田賢一監督
「本日は天候の悪い中、多くのファンの皆様に来ていただき、感謝申し上げます。中居選手が100キャップ目を迎える試合ということで、価値のある試合をしたいと、一つ一つのプレーを積み上げて、勝って祝福したいと臨みました。ブレイクダウンをクリアにして、ブレイクダウンを動かしてスペースをつくり、そこへボールを運ぼうというプランでした。グラウンドが緩い中で、ブレイクダウンはなかなか難しかったのですが、前半からシンプルに戦ったことが、ボディブローのように効いて、後半は圧倒できたと思います」

──ベテランと若手をうまくかみ合わせているが?
「春から、チーム全員がフラットな競争をしています。それが継続していて、練習で勝ち取った選手を出しています。まだまだ、松田も中居も伸びる部分があると思います」

○豊田真人キャプテン
「天候が悪い中、大勢のファンの皆様が集まって下さってありがとうございました。いろいろな戦術を持って、この試合に臨みましたが、22人が80分間、一つ一つのプレーを中居選手のために頑張ろうと、最後の1秒まで一歩でも体を動かしたことが、この結果につながったと思います」

──先輩の中居選手は?
「100試合、今までの東芝を支えてくれた方で、プレーイングコーチとしても、選手としても、FWのお手本です。一番信頼されている選手です。僕らは、ただ、中居さんに付いていくしかありません。そういう選手が一番初めに100キャップを得られたことが嬉しいです」

○中居智昭選手
「本日のメモリアルゲームでは、チームの皆が僕のために戦うと言ってくれて、僕自身もチームのためにやることが、良いゲーム、勝ちにつながると思って臨みました。試合に入り、戦術よりも皆の気持ちが伝わってきて、僕も気持ちが入って、その気持ちを前面に出して戦い、勝つことができました」

──高校からトップリーグに入って?
「一番感じたのはコンタクトの部分です。各チームともトップの外国人選手のコンタクトが強く、僕自身もすごく良い経験をしました。大学で同期の選手が活躍しているのを見て、こちらもどん欲な気持ちで良いプレーを目指してやってきました。フィジカルを全面に出す東芝に入り、コンタクトの部分では劣らずにやっていけると自信が付きました」

──思い出の試合は?
「僕はあんまり目立つプレーヤーではないのですが、自分がトライしたヤマハさんとの試合です。ラックの上を飛び越えてトライした2005-2006年の試合です」

──それなのに今日はリザーブだったが?
「僕は和田さんを信頼しています。僕自身もメモリアルなゲームで先発したい気持ちもありましたが、チームの一番強いメンバーで試合に臨むのが筋だとも思います。和田さんは絶対ブレないし、僕以外の選手の方が可能性もあるし、勝ちにつながると判断した結果だと思います」
○和田監督
「戦術もあります。NTTさんはブレイクダウンでタフなチームです。後半、流れを変えることができるのが中居選手であり、チームとして必要だと判断しました」

──100キャップ以降は?
「どこまで記録を伸ばせるか分かりませんが、100試合の全試合が高いレベルでした。東芝で優勝争いができる中で、自分の腕を磨けたのは良かったと思います。いろいろな選手にも経験してもらいたいし、これから自分もこの経験を生かしていきたいと思います」

──高校からトップリーグ入りする少数の選手たちへのメッセージを。
「僕自身、ラグビーに詳しくなくて、高校でしかやっていなかったので、オールブラックスなどのスーパースターがやってきても、その凄さがよく分かりませんでした(笑)。テレビで見た、凄い経験を持っている選手がいる中で、フラットな気持ちでガツガツ行けたのが自分の経験としては良かったのかなと思います。良いプレーを盗んで、フラットなメンタルで臨んでほしいと思います」



2011年12月5日

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