地元ニュージーランドの優勝で幕を閉じたワールドカップ2011の高揚がまだ冷めやらないなか行われた、9シーズン目を迎える関西でのトップリーグ開幕戦。
関西ラグビーフットボール協会 金澤睦副会長から「ワールドカップでの日本代表の健闘を称えるとともに、トップリーグへの声援・支援をお願いします」との開会宣言に引き続き、昨年のレギュラーシーズン5位の神戸と6位のNECの戦いでシーズンの火蓋が切って落とされた。
前半3分、神戸製鋼はハーフウェイライン中央のラックから、SH猿渡がラックサイドを抜け、左FL橋本につないでトライ、SOグラントのゴールも決まり、7-0と先制する。
しかし、NECはこれ以後、試合を神戸製鋼陣内で進め、左ライン際を再三破ってゴール前に迫り、10分以上一方的な攻撃を続ける。これに対し、神戸製鋼は規律のとれたディフェンスでゴールを割ることを許さず、ニューフェイスの左WTB中濱のゲインなどで徐々にNEC陣に入り、19分、ゴール前7mのラインアウトから持ち味のモールを押し込み、右LO谷口がトライ。攻撃の歯車がかみ合いはじめた神戸製鋼は、この後27分、32分と立て続けにトライ(ゴール)を挙げ、NECを1PGに抑えて前半を終えた。
後半、NECは昨シーズンまで関東大学対抗戦で活躍した田村をSOに投入すると、BKがグラウンドサイドを幅広く使い始める。1分、後半入替わった左WTBナドロが神戸製鋼のディフェンスの隙を抜け、トライ(田村がゴール)を返して追い上げムードに入ると、NECはリズミカルな攻撃で試合の流れを支配する。
一方、神戸製鋼はFWの疲労が見られたもののディフェンスに乱れはなく、NECのラストパスを許さない。逆に、左LO伊藤が試合の流れを決める重要なタックルをヒットさせ、自陣10mライン中央でNECがノックオンしたボールをインサイドセンターのカワウが確保し、相手ディフェンスを振り切ってポスト右にトライ、35-10とゲームを決定づけた。NECは最後まで試合をあきらめることなく戦ったが、1トライ(ゴール)を返すにとどまった。
両チームともニューフェイス・昨年度の大学でのスター選手が活躍し、今後のトップリーグの発展に繋がることを期待させる一戦であった。
MOMには神戸製鋼左PR、キャプテン平島が選ばれた。(大阪府協会 山林右二)
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