パナソニックワイルドナイツ対サントリーサンゴリアスという昨季のトップリーグチャンピオンと日本選手権王者が対決する、開幕戦にふさわしい好ゲーム。
前半はSH日和佐のリードでテンポよく繰り出されるサントリーの攻撃を、パナソニックが固いディフェンスで防ぐという場面の多い、お互いにトライを許さない展開が続いた。パナソニックの田邊、サントリーのピーター・ヒューワットが、決して楽な位置だけではなかったペナルティゴールを決め、30分過ぎの時点で9-6とパナソニックのリード。前半33分、CTB平からパスを受けたサントリーLO篠塚が初めてのトライ。ゴールも決まって9-13サントリーのリード。前半終了間際、サントリー攻撃中にFB田邊が故意の反則でシンビンを受ける。このPGが決まり、前半は9-16でサントリーリードで折り返した。
後半、キックオフのボールをサントリーが奪い、ハーフ団がゴール前まで縦にボールを運び、左に展開しFL佐々木がノーホイッスルトライをあげた。ゴールも決まり、9-23とサントリーがリードを広げた。その後パナソニックは、シンビンでキッカーの田邊を欠いていたこともあり、ゴールを狙える位置のペナルティを、ゴール前ラインアウトにする場面が2回あった。しかしサントリーが巧みに防ぎ、パナソニックのミスもありこのチャンスでトライを奪えなかった。
9分、サントリーSOトゥシ・ピシは、狙いすましたようにSHとSOのディフェンスの間隙をすり抜け、内側にフォローしたCTBニコラス ライアンがパナソニックのタックルを振り切ってトライ。9-28とさらにリードを広げた。
このままサントリー優勢で試合が進むかに思われたが、13分パナソニックは、HO堀江の好タックルでボールを奪い、CTB野口がライン際のWTB北川に上手いパスを通し、北川は巧みなチェンジオブペースで2人のディフェンスをかわし貴重なトライを返した。ゴールが決まり16-28。
21分にもHO堀江のトライと田邉のゴールで23-28とした。さらに26分、10mライン付近からの難しいペナルティゴールを田邊が決め26-28と2点差に迫った。
しかし、29分にサントリーがPGで26-31とまた点差を広げ、終了間際までパナソニックがゴール前でサントリーボールのスクラムを奪うなど、執拗な攻撃を続けたが、サントリーが逃げ切って開幕戦を飾った。
お互い譲らなかった前半30分過ぎまでの攻防、後半10分ころまではサントリー、その後30分前まではパナソニックとお互いの見せ場を作り、最後はわずか1トライ差という開幕戦にふさわしい好ゲームであった。勝ったサントリーはもちろん、敗れたパナソニックも確かな手ごたえを感じた試合だったのではないだろうか。
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